
「民泊を始めようと思っているけれど、家具は何をどれくらい揃えればいいのかわからない」「初期費用がどのくらいかかるのか見当がつかず、開業計画が立てられない」——これから民泊事業をスタートさせる方の多くが、こうした悩みを抱えています。
家具・家電は民泊の初期費用の中でも大きな割合を占める項目でありながら、何をどこまで揃えればよいのか、判断基準があいまいになりがちです。揃え方を誤ると、開業直前になって「足りないものが見つかった」「想定より費用がかさんだ」というトラブルにもつながりかねません。
この記事では、民泊向け家具の卸売サポートを通じて約50件の納品実績を持つ大川家具が、開業に必要な家具を部屋タイプ別にリストアップしながら、初期費用の全体像、調達のスケジュール、費用を抑えるポイントまで、開業準備を進める上で押さえておきたい内容を解説します。
民泊開業の初期費用の全体像と家具が占める割合
民泊の開業費用は、大きく分けて「物件取得費」「内装・リフォーム費」「消防設備費」「家具・家電費」「届出・許可関連費」の5つで構成されます。このうち家具・家電費は、部屋の広さや揃えるグレードによって変動しますが、開業費用全体の中でも比較的コントロールしやすい項目です。
物件取得費やリフォーム費は物件の状態によって大きく左右される一方、家具・家電は「何を」「どこから」調達するかによって、オーナー自身の判断でコストを調整できる余地が大きいという特徴があります。逆に言えば、家具選びの段階で計画性を持てるかどうかが、開業費用全体の最適化に直結するということです。
部屋タイプ別の費用感や内訳をより詳しく試算したい方は、別記事「民泊の家具にかかる費用・相場【間取り別シミュレーション】」で間取り別のシミュレーションを紹介していますので、あわせてご確認ください。本記事では、まず「何を揃えるべきか」というリストの整理に重点を置いて解説します。

民泊開業に最低限必要な家具リスト【部屋タイプ別】
民泊で実際に発注が多い部屋タイプは、1Kが7割超、1LDKが約2割、2LDKが約1割という内訳になっています(大川家具への問い合わせ実績より)。多くの民泊事業者が1K・1DKからスタートしているという現実に合わせて、部屋タイプ別に必要な家具を整理します。
なお、家具カテゴリの発注頻度として最も多いのはダイニングテーブル・ダイニングチェアで、次いでソファ・センターテーブルが続きます。また、以前は定番だったテレビボードは、現在の民泊物件では壁掛けテレビが主流になっているため、テレビボードを購入せずに設計するケースが増えています。これらの傾向も踏まえてリストを参照してください。
1K・1DK(定員1〜2名)の場合
- ベッド(シングル〜セミダブル)またはソファベッド
- ダイニングテーブル・チェア(2脚程度)
- ソファ(スペースに余裕があれば)
- 収納家具(クローゼットがない場合はハンガーラックや収納ボックス)
- テレビ(壁掛け対応の場合はテレビボード不要)
- カーテン・照明器具
民泊案件の7割超を占める1K・1DKは、限られた面積を有効に使うため、ソファベッドや折りたたみ式テーブルなど、省スペース性の高い家具を選ぶオーナーが多い傾向にあります。
1LDK(定員2〜4名)の場合
- ベッド(人数分。ダブル+シングル等の組み合わせも検討)
- リビング用ソファ・センターテーブル
- ダイニングテーブル・チェア(4脚程度)
- テレビ(壁掛け対応の場合はテレビボード不要)
- 収納家具(チェスト・クローゼット収納)
- カーテン・照明器具・ラグ
リビングとダイニングの両方の役割を持たせる部屋が多いため、ソファとダイニングセットのバランスが設計の中心になります。ダイニングセットへの発注頻度が最も高く、次いでソファ・センターテーブルと続くのは、この部屋タイプでの需要を反映しています。
2LDK以上(定員4名〜)の場合
- ベッド(複数台。寝室ごとに必要数を確認)
- リビング用ソファ・センターテーブル(大型または複数)
- ダイニングテーブル・チェア(6脚程度〜)
- テレビ(リビングに加え寝室にも設置する場合あり)
- 収納家具(部屋数に応じて複数)
- カーテン・照明器具・ラグ(部屋数分)
部屋数が増えるほど家具点数も比例して増えるため、調達先を一本化しないと発注・納期管理が煩雑になりやすい点に注意が必要です。複数物件をまとめて調達する方法については「複数の民泊物件に家具を統一調達する方法とメリット」でも解説しています。

開業準備のタイムラインと家具調達のスケジュール
家具選びでよくある失敗の一つが、開業直前になって慌てて家具を発注し、納期が間に合わないケースです。民泊開業の準備は、家具の調達だけを切り離して考えるのではなく、許可申請や内装工事のスケジュールと連動させることが重要です。
家具の納期は調達方法によって大きく異なります。自社倉庫に在庫がある場合は1週間〜10日程度、メーカー倉庫からの取り寄せが必要な場合は2〜3週間が目安です。ただし、これはあくまで在庫状況が整っている場合の目安であり、商品や時期によって変動することをご承知おきください。
また、家具量販店での個別購入を検討する場合、大手の家具チェーンでも商品によっては3週間〜1ヶ月かかるケースがあるとリピート顧客からお聞きしています。さらに、複数店舗・複数サイトから個別に発注すると、それぞれの商品が別々の日程で届くため、スタッフが現地で何度も待機しなければならないという非効率が生まれます。
制度改正のタイミングで駆け込み開業需要が発生することも
過去には、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊)の新規開業申請の締切が近づいたタイミングで、大阪市内において駆け込みの新規開業需要が集中したことがあります。このときは3件の物件に分かれて合計約30本のソファベッドをご発注いただきました。制度の申請期限や繁忙期の前後は、開業準備のスケジュールが一気に立て込みやすいため、家具の手配も余裕をもって進めることをおすすめします。
一般的な開業準備の流れでは、物件取得・リフォームの内容が固まった段階で家具の選定に着手するのが目安です。届出・許可の審査期間中に家具を発注しておけば、許可が下り次第すぐに運営を開始できます。内装工事と家具の搬入タイミングが重なると現場の作業効率が落ちるため、リフォーム完了後に家具を搬入する流れを基本としつつ、業者と事前に納品日を調整しておくことが大切です。
家具にかかる初期費用を抑える3つの方法
家具・家電費は工夫次第でコストを抑えやすい項目です。代表的な方法を3つ紹介します。
1. 必要なアイテムを優先順位づけして揃える
すべてを一度に最高グレードで揃える必要はありません。ゲストの滞在体験に直結するベッド・ソファなどは品質を優先し、その他のアイテムは段階的に揃えるという考え方も有効です。予算をあらかじめ明確に伝えることで、その範囲内に収まる提案を引き出しやすくなります。
2. まとめて発注することで調達効率を高める
家具を1点ずつ複数の店舗やサイトで個別に購入すると、配送費や手間がかさむだけでなく、各商品の納期がバラバラになり、現場に何度も立ち会わなければならない状況も生まれます。まとめて発注し、一括で届けてもらう体制を整えることで、費用と手間の両方を削減できます。
3. 卸・メーカー直取引のルートを活用する
小売店経由ではなく、卸売業者やメーカーと直接取引できるルートを持つことで、流通段階を圧縮できます。これは価格だけでなく、在庫確保のしやすさにもつながる構造的なメリットです。「どの流通段階で家具を仕入れるか」は初期費用に影響する重要な要因の一つです。具体的な費用感は取引条件や部屋タイプによって異なるため、詳細は「民泊の家具にかかる費用・相場【間取り別シミュレーション】」を参照してください。

開業時の家具選びで失敗しないための注意点
初期費用を抑えることばかりに気を取られると、後々のトラブルにつながることもあります。開業時の家具選びでは、以下の点にも注意しましょう。
- 個別調達の手間とリスクを過小評価しない:ECサイトや複数店舗での個別購入は、納期のバラつき・現地待機の手間・自力での組み立て作業など、費用以外のコストが想定より大きくなりがちです。これらをまとめて解消できるかどうかも、調達先選びの重要な判断軸です。
- 安さだけで選ばない:極端に安価な家具は、短期間での破損や劣化につながりやすく、結果的に買い替えコストがかさむケースがあります。家具の破損・トラブル対応については「民泊の家具が壊れた時の対処法と補充先」でも詳しく解説予定です。
- サイズを現地で確認する:搬入経路やエレベーターのサイズを確認せずに発注すると、搬入できないというトラブルが起こります。
- 消防法・建築基準法に抵触しないか確認する:カーテンの防炎性能など、民泊特有の規制に関わる項目は事前にチェックが必要です。
- 欠品時の代替対応を確認しておく:開業日が決まっている以上、発注先に欠品時の代替提案ができる体制があるかも重要な確認ポイントです。
民泊家具を一括で揃えるなら卸業者の活用がおすすめ
ここまで見てきたように、民泊開業時の家具調達は「何を」「いつまでに」「どこから」揃えるかによって、初期費用とその後の運営の安定性が大きく変わります。特に複数アイテムをまとめて揃える場合、個別の小売店を回るよりも、卸業者を窓口にすることで選定から納品までを一本化できるメリットがあります。
大川家具は創業73年以上、国内外154社以上のメーカーネットワークを持つ家具の総合卸売会社です。大阪・東京(埼玉)・福岡(大川)の3拠点から全国配送に対応しており、これまでに民泊オペレーター向けの家具を約50件(同一取引先への複数回納品を含む)納品してきた実績があります。ダイニングセットだけでも約50商品から卸売価格で提案でき、家具に加えて寝具・照明もまとめてご相談いただけます。商品選定から在庫・納期確認、欠品時の代替提案、現場への一括納品まで、窓口を一本化してサポートすることが可能です。
民泊開業に向けた家具調達でお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。

よくある質問
Q. 民泊開業の家具費用はどのくらいが目安ですか?
A. 部屋の広さやグレードによって幅がありますが、間取り別の詳細なシミュレーションは「民泊の家具にかかる費用・相場【間取り別シミュレーション】」で紹介していますので、そちらをご参照ください。
Q. 家具の納期はどのくらいかかりますか?
A. 在庫状況や商品によって異なりますが、自社倉庫に在庫がある場合は1週間〜10日程度、メーカー倉庫からの取り寄せが必要な場合は2〜3週間が目安です。開業日から逆算して早めにご相談いただくことをおすすめします。
Q. 家具はレンタルと購入のどちらがよいですか?
A. 運営期間や資金計画によって最適な選択は異なります。詳しい比較は「民泊家具はレンタルと購入どちらがお得か?徹底比較」で解説しています。
Q. 家具をまとめて発注すると対応してもらえますか?
A. はい、ダイニングセット・ソファ・ベッドフレームなど複数カテゴリをまとめて発注いただくことが可能です。また、寝具・照明なども含めた一括手配にも対応しています。詳しくはお問い合わせフォームからご相談ください。
まとめ
民泊開業時の家具選びは、部屋タイプごとに必要なアイテムを整理し、開業スケジュールと連動させて計画的に進めることが、初期費用の最適化とスムーズな開業の両方につながります。実際の民泊案件では1K・1DKが7割超を占め、ダイニングセットとソファへの需要が特に高いという現場の実態を踏まえた選定が有効です。
家具・家電は工夫次第でコストをコントロールしやすい項目だからこそ、優先順位づけとまとめ発注、信頼できる調達先の選定が重要になります。複数アイテムの選定から一括納品まで相談したい場合は、卸売業者への問い合わせも選択肢の一つとしてご検討ください。