なぜ今、外国人ゲストは「和」のインテリアを求めるのか
「せっかく日本に泊まるなら、日本らしい部屋に泊まりたい」——そう考える外国人ゲストは年々増えています。民泊予約サイトのリスティング写真を見比べていて、無機質な洋室ばかりの物件と、木の質感や和の要素を感じさせる物件とで、どちらに惹かれるだろうかと迷ったオーナー様も多いのではないでしょうか。
ここで押さえておきたいのは、外国人ゲストが求めているのは「和室そのもの」ではなく「和の体験」だという点です。畳の部屋に泊まることが目的なのではなく、木の温もりや静けさ、洗練された日本らしい空間で過ごす時間そのものに価値を感じています。だからこそ、和室がない洋室タイプの物件でも、家具や照明の選び方次第で十分に「和の体験」を演出できます。この視点の違いが、リスティング写真のクリック率や予約率、ひいてはレビュー評価にも表れてきます。

和風・和モダン・ジャパンディの違いを整理する
「和のインテリア」と一口に言っても、実は方向性の異なる3つのスタイルが混在して語られがちです。物件のコンセプトを決める前に、まずこの3つを整理しておきましょう。
| スタイル | 特徴 | 向いている物件 |
|---|---|---|
| 和風 | 畳・障子・襖など伝統的な和の要素をそのまま活かす | 和室が既にある古民家・戸建て |
| 和モダン | 伝統的な和の要素に現代的な機能性・デザインを融合 | 和室・洋室どちらでも導入しやすい |
| ジャパンディ | 和の余白の美学と北欧の温かみを掛け合わせる | 洋室・ワンルームなど和室がない物件 |
和室がない洋室タイプの物件を多く抱えるオペレーター様には、家具選びだけで表現できる「和モダン」または「ジャパンディ」の方向性が現実的です。一方、既に和室がある物件であれば、素材の良さを活かす「和風」寄りの選定が写真映えにつながります。
外国人ゲストが心地よく感じる「和」インテリアの5原則
- 装飾を絞る「引き算」の考え方:欧米のインテリアが装飾を重ねる「足し算」であるのに対し、和のインテリアは余白を活かす「引き算」が基本です。家具の点数を絞り、見せる収納と隠す収納を分けることで、凛とした印象になります。
- 自然素材を選ぶ:無垢材、和紙、竹、藤といった自然素材を家具や照明に取り入れると、写真越しでも質感が伝わりやすくなります。
- ベースカラーは3色以内に抑える:白・ベージュ・グレーなどの淡いベースカラーに、木目のミドルトーンを合わせるだけで統一感が生まれます。
- 寝具は「布団の再現」より「快適性」を優先する:布団に不慣れな外国人ゲストは、床に直接敷く寝具に苦手意識を持つ方が少なくありません。和のテイストを保ちながら、低めのベッドフレームで「布団のような佇まい」と寝心地を両立させる方向性がおすすめです。
- 座る場所は椅子を基本にする:座卓や座椅子中心の空間は写真映えする一方、長時間の床座りに慣れていないゲストには負担になりがちです。ダイニングやワークスペースには椅子を用意し、リビングの一角に座卓コーナーを設けるなど「選べる」設計が満足度を高めます。
アイテム別・和テイスト家具の選び方
ベッド・寝具
低めのフレームに畳や木の質感を組み合わせたベッドは、和の雰囲気と快適な寝心地を両立できるアイテムです。マットレスの厚みを確保することで、見た目は布団に近くても寝心地はホテル水準に近づけられます。

ダイニング・座卓
ダイニングエリアは、和のデザインを最も演出しやすい場所のひとつです。木の組み方や格子模様といった建具の意匠を天板や脚部に取り入れたダイニングテーブル・ベンチ・チェアは、洋室であっても「和モダン」の空気感を一気に作り出せます。
下記は実際に手配可能な組子(くみこ)デザインのダイニングセットの例です。木の組子模様が天板に施されたローダイニングテーブルと、ベンチ・チェアを組み合わせることで、圧迫感を抑えながら食事の時間をゆったり演出できるデザインになっています。
座卓を導入する場合は、正座に慣れていないゲストのために座椅子やベンチタイプを組み合わせると、和の雰囲気を保ちながら快適性を確保できます。
収納・建具
格子状の組子デザインを施したサイドボードや飾り棚は、収納機能を持たせながら「見せる和の意匠」として空間のアクセントになります。天然木の突板で仕上げたキャビネットは、引き戸を開けたままでも趣のある佇まいを保てるため、生活感を抑えつつ和の質感を演出したい場合に適しています。
押入れやクローゼットが洋風の場合は、建具を全て和風に変更する必要はありません。取っ手や引き手の金具、あるいは前面に格子柄のパネルを一部貼るだけでも、和の印象を加えることができます。
照明
和紙や竹を使った行灯風の照明は、間接照明として使うことで空間に柔らかな陰影を生み出します。天井照明を主体にせず、フロアライトやペンダントライトを低い位置に配置することで、落ち着いた「和の夜」の雰囲気を演出できます。

和室と洋室、それぞれでの和テイストの取り入れ方
既存の和室がある物件は、畳や障子といった素材そのものの魅力を活かしつつ、家具は最小限に抑えるのが基本です。レイアウトの考え方はワンルーム民泊の家具選びとレイアウトの記事もあわせてご参照ください。
一方、和室がない洋室タイプの物件では、床材や壁紙を変更せずとも、家具・照明・ファブリックの選定だけで和モダンの空気感を作ることが可能です。装飾を絞り込む考え方についてはホテルライクな民泊を作る家具選びとコーディネート術の記事で解説している「引き算の設計思想」とも通じる部分がありますので、あわせてご覧ください。
複数物件で「和」テイストを統一調達する際の注意点
複数の民泊物件で和モダンのコンセプトを展開する場合、物件ごとに家具の仕入れ先がばらばらだと、色味や素材感にズレが生じやすくなります。大川家具では154社以上のメーカーネットワークを活かし、和テイストの家具・建具・照明を一括で手配できる体制を整えています。大阪・埼玉・福岡の3拠点を活用することで、エリアが離れた物件であっても同じコンセプトの家具を安定して届けられる点が強みです。
また、物件ごとに「和風寄り」「和モダン寄り」「ジャパンディ寄り」と微妙にニュアンスを変えたい場合も、幅広いテイストの家具を扱うネットワークがあることで、統一感を保ちながら物件ごとの個性を出すことができます。詳しい統一調達の考え方は複数の民泊物件に家具を統一調達する方法とメリットの記事もご参照ください。
よくある質問
Q. 和室がない物件でも和モダンの雰囲気は出せますか?
A. 可能です。床材や壁紙を変更しなくても、木目や自然素材を使った家具、行灯風の照明、ベースカラーを絞った配色だけで和モダンの印象を作ることができます。
Q. 布団と洋式ベッド、どちらを優先すべきですか?
A. 外国人ゲストの快適性を考えると、低めのフレームに厚みのあるマットレスを組み合わせ、見た目は布団に近くても寝心地はベッドに近づける方向性がおすすめです。
Q. 組子デザインなど装飾性の高い家具は掃除やメンテナンスが大変ではありませんか?
A. 格子部分にほこりが溜まりやすい点は考慮が必要ですが、清掃頻度を高めるか、格子の目が粗いデザインを選ぶことで負担を軽減できます。導入前に清掃のしやすさもあわせてご相談いただくことをおすすめします。
まとめ
外国人ゲストに選ばれる「和」のインテリアは、和室の有無に関わらず、家具・素材・照明の選び方で演出できます。和風・和モダン・ジャパンディという3つの方向性を理解した上で、物件のコンセプトに合った家具を選ぶことが、予約率とレビュー評価を高める第一歩です。
複数物件での統一調達や、和テイストの家具選びでお悩みの際は、大川家具までお気軽にご相談ください。