家具を卸価格で仕入れたいとき、最初に突き当たる3つの疑問

仕事で家具を扱うようになると、小売店で購入するのではなく、卸価格で仕入れたいと考える場面が出てきます。ところが、いざ調べ始めると多くの方が同じところで手が止まります。
「そもそも法人でなければ取引できないのか」「最低発注の数量や金額が決まっているのではないか」「掛け率とは何を指していて、どのくらいが相場なのか」——。この3つは、卸取引の経験がなければ知りようがない情報でありながら、仕入れ先の企業サイトを見ても書かれていないことがほとんどです。
本記事では、家具の卸取引を始めるにあたって知っておきたい仕組みを、順を追って整理します。仕入れルートの違い、価格が決まる仕組み、取引の始め方までを一通り押さえられる内容にしています。
家具の仕入れルートは大きく3つある

家具を卸価格で仕入れる方法は、大きく3つに分けられます。それぞれ価格の傾向も、必要な手間も異なります。
| ルート | 価格の傾向 | 発注数量 | 手間 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| メーカーと直接取引する | 有利になりやすい | まとまった数量を求められることがある | メーカーごとに手続き・発注・納期管理が必要 | 特定ブランドを継続的に扱う |
| 卸問屋・総合卸を使う | 中間 | 相談に応じる先が多い | 窓口が1つで済む | 複数メーカーを横断して選びたい |
| 事業者向けの仕入れサイトを使う | サイトの規定による | 小口に対応する先が多い | 会員登録のみで始められる | まず試したい/小口が中心 |
メーカーとの直接取引は、中間に入る事業者がいない分、価格面では有利になりやすい方法です。ただしメーカー1社ごとに手続きを踏む必要があり、扱いたいブランドが増えるほど窓口も発注先も分散していきます。納期の管理もメーカーごとに個別に行うことになります。
卸問屋・総合卸は、複数のメーカーの商品を横断して扱っている事業者です。窓口が1つにまとまるため、複数のメーカーから選びたい場合や、案件ごとに求められるテイスト・価格帯が変わる場合に向いています。取り扱いメーカー数は事業者によって差が大きいため、そこが選定の分かれ目になります。
事業者向けの仕入れサイトは、会員登録をすれば卸価格を確認できる仕組みのものが多く、始めるハードルは最も低い方法です。一方で、掲載されている商品の中から選ぶことになるため、案件に合わせた個別の提案を受けたい場合には物足りなさが出ることもあります。
どれが正解ということはなく、扱う商品の幅、案件ごとの規模、提案までを任せたいかどうかによって、適したルートは変わります。
掛け率・上代・下代——卸取引の価格の仕組み

卸取引では、小売の現場では使わない価格の用語が出てきます。仕入れ先とのやり取りで必ず登場するため、最初に押さえておくと、仕入れ先とのやり取りがスムーズになります。
上代(じょうたい)とは、メーカーや卸が設定している、一般消費者向けの販売価格を指します。小売店の店頭に並んだときの価格と考えると分かりやすいでしょう。
下代(げだい)とは、事業者が仕入れる際の価格です。仕入れ値、卸値と呼ばれることもあります。
掛け率(かけりつ)とは、上代に対する下代の割合のことです。「5掛け」といえば上代の50%、「6掛け」といえば上代の60%が仕入れ価格になります。
計算式にすると次のようになります。
- 上代 × 掛け率 = 下代
- 下代 ÷ 上代 = 掛け率
たとえば上代10,000円の椅子を掛け率0.55で仕入れる場合、下代は10,000円 × 0.55 = 5,500円となります。この椅子を上代どおりに販売すれば、差額の4,500円が粗利にあたります。
掛け率は商品や取引条件によって異なり、一律に決まっているものではありません。取り扱う商品カテゴリ、発注の数量、取引の継続性などによって変わるため、具体的な条件は仕入れ先ごとに確認することになります。
掛け率だけで仕入れ先を選ぶと損をすることがある
掛け率は分かりやすい比較軸のため、つい数字の低さだけで判断したくなります。しかし掛け率が有利でも、最終的な負担が大きくなることは珍しくありません。総額で考えるときに見ておきたい要素を挙げます。
送料
家具は容積が大きく重量もあるため、送料の影響が他の商材より大きく出ます。掛け率が数%有利でも、送料の条件次第で逆転することがあります。
最低発注の条件
最低発注金額や数量が設定されている場合、必要な数だけ仕入れることができません。使わない在庫を抱えることになれば、実質的な負担は増えます。
納期
納品日が決まっている案件では、納期が読めない仕入れ先はそれだけでリスクになります。在庫を持っている商品と、メーカーへ取り寄せる商品とで納期がどう変わるかは、事前に確認しておきたい点です。
支払い条件
前払いか、掛け払い(請求書払い)かによって、資金繰りへの影響は変わります。掛け払いに対応している場合は、締め日と支払期日も確認しておくとよいでしょう。
搬入・設置の範囲
搬入のみで終わる場合、開梱と設置は自分たちで行うことになります。人手と時間がかかる工程のため、ここを任せられるかどうかで実質的な負担は大きく変わります。
法人でなくても卸取引はできるのか

卸取引について調べていて、最も判断がつきにくいのがこの点です。仕入れ先の企業サイトには「法人のお客様へ」と書かれていることが多く、個人事業主やフリーランスとして活動している場合、自分が対象に含まれるのかどうかが読み取れません。
実際のところ、条件は仕入れ先によって分かれます。法人であることを取引の条件としている先もあれば、個人事業主とも取引している先もあります。サイト上の表記だけでは判断できないことが多いため、気になる仕入れ先があれば直接確認するのが確実です。
大川家具では、個人事業主・フリーランスとして活動されている方とのお取引実績がございます。法人の方に限らずご相談いただけますので、事業として家具を扱われている方はお問い合わせください。
1点だけの発注はできるのか——最低ロットの実際

卸取引には「まとまった数量が必要」という印象がつきまといます。実際、最低発注金額や最低ロットを設定している仕入れ先はあり、その場合は必要な数だけを仕入れることができません。
一方で、案件によって必要な数量は大きく変わります。1件の案件でソファを1台だけ、テーブルを1卓だけ手配したいという状況は、実務では日常的に発生します。数量の条件が合わない仕入れ先とは、そもそも取引が成立しません。
そのため、最低発注の条件は取引を始める前に確認しておきたい項目のひとつです。「最低発注金額はあるか」「1点からでも発注できるか」を、問い合わせの段階で聞いておくと、後から条件が合わないと分かる事態を避けられます。
大川家具では、少数点、1点からでもご相談いただけます。案件ごとに必要な数量が異なることを前提にご対応しておりますので、規模の小さな案件についてもお気軽にご相談ください。
取引を始めるには何が必要か

取引したい仕入れ先が見つかっても、そこから何をすればよいかが分からず止まってしまうことがあります。卸取引は小売店での購入と手続きが異なるため、進め方のイメージが持ちにくいのは自然なことです。
必要な手続きは仕入れ先によって異なりますが、一般的には取引を申し込むための書類を提出し、内容を確認したうえで取引を開始する流れになります。
大川家具の場合は、簡単な申請書類をご提出いただくことで、お取引を開始いただけます。お問い合わせフォームより「取引の申請書類を提出したい」旨をお知らせいただければ、書類をご案内いたします。ご不明な点があれば、あわせてお問い合わせください。
支払いは掛け払いにできるか
継続的に仕入れる場合、注文のたびに支払い手続きを行うのは負担になります。そのため、掛け払い(請求書払い)に対応しているかどうかは、取引を始める前に確認しておきたい条件のひとつです。
大川家具では、法人のお客様は掛け払いでのお取引が基本です。お取引の内容によってはご相談させていただく場合もございます。支払い条件については、お取引の開始時にご案内いたします。
取引先を選ぶときに見ておきたい供給力

価格や取引条件が折り合ったとしても、継続して付き合える仕入れ先かどうかは別の問題です。長く取引することを前提に考えるなら、次の3点を見ておくと判断しやすくなります。
取り扱いメーカーの幅
対応できる価格帯の広さは、取り扱いメーカーの数にそのまま比例します。1社のメーカーだけを扱う仕入れ先では、案件ごとに変わる予算やテイストに対応しきれない場面が出てきます。低価格帯から高価格帯までを1つの窓口で選べるかどうかは、提案の幅に直結します。
家具以外も相談できるか
空間をまとめて仕上げる場合、家具だけでは完結しません。カーテンやラグまで含めて相談できる仕入れ先であれば、手配の窓口を増やさずに済みます。
条件が変わったときの対応
予算やグレードの条件が途中で変わることは珍しくありません。そのたびに提案商品を入れ替え、見積もりを出し直してもらう必要があります。この対応の速さは、掛け率には表れない実務上の差であり、取引を始めてから効いてきます。
大川家具の卸取引について

大川家具は1953年の創業から73年以上、家具の製造・卸売を手がけてきた会社です。国内外154社以上のメーカーとのネットワークを持ち、大阪本社・東京事業部・大川事業部(福岡)の3拠点体制で全国への配送に対応しています。
154社以上のメーカーを扱っているため、価格を抑えた構成から高価格帯まで、案件ごとのご予算に合わせた提案が可能です。これは1社のメーカーとの取引では実現できない対応幅です。家具だけでなく、カーテンやラグを含めたご提案にも対応しています。
お取引の形態については、法人・個人事業主を問わずご相談いただけます。インテリアコーディネートやホームステージングを手がける会社との直接のお取引は20社ほどあり、設計事務所やリフォーム会社とのお取引実績もございます。1点からのご発注もご相談いただけるため、案件の規模にかかわらずご利用いただけます。
納期は在庫状況によって異なります。自社倉庫に在庫がある商品であれば10日ほど、メーカーへの取り寄せが必要な商品であれば2週間程度が目安です。納品日が決まっている案件については、日程から逆算して早めにご相談いただけますと調整しやすくなります。
配送業者とのタイアップにより、搬入から開梱・設置までを一括してお引き受けしています。発注後にご予算やグレードの条件が変わった場合も、提案商品を入れ替えてお見積もりを再提出いたします。
よくある質問(FAQ)

Q1. 法人でなくても取引できますか?
A. はい、個人事業主・フリーランスとして活動されている方とのお取引実績がございます。法人の方に限らずご相談いただけます。
Q2. 取引を始めるには何が必要ですか?
A. 簡単な申請書類をご提出いただくことで、お取引を開始いただけます。お問い合わせフォームより「取引の申請書類を提出したい」旨をお知らせいただければ、書類をご案内いたします。
Q3. 支払いは掛け払いにできますか?
A. 法人のお客様は掛け払いでのお取引が基本です。お取引の内容によってはご相談させていただく場合もございます。
Q4. 1点だけの発注でも相談できますか?
A. 少数点、1点からでもご相談いただけます。案件ごとに必要な数量が異なることを前提にご対応しております。
Q5. 掛け率はどのくらいですか?
A. 商品や取引条件によって異なるため、個別にご案内しております。お取り扱いをご検討の商品やご予算をお知らせいただければ、条件をご相談させていただきます。
Q6. 家具以外も一緒に相談できますか?
A. はい、家具だけでなくカーテンやラグを含めたご提案も承っております。
Q7. 納品までどのくらいかかりますか?
A. 在庫状況によって異なります。自社倉庫に在庫がある商品であれば10日ほど、メーカー取り寄せが必要な商品であれば2週間程度が目安です。
関連記事
家具小売店向けの仕入れ・卸売については、家具小売店向けの仕入れ・卸売をご覧ください。
まとめ

家具の卸取引は、仕組みさえ分かってしまえば決して複雑なものではありません。本記事の要点を整理します。
- 仕入れルートは「メーカー直接取引」「卸問屋・総合卸」「事業者向け仕入れサイト」の3つ。扱う商品の幅、案件の規模、提案を任せたいかどうかで適したルートが変わる
- 掛け率とは上代に対する下代の割合。上代10,000円を掛け率0.55で仕入れれば下代は5,500円になる
- 掛け率だけで判断せず、送料・最低発注条件・納期・支払い条件・再見積もりの速さ・設置対応まで含めた総額で比較する
- 個人事業主やフリーランスでも取引できる仕入れ先はある。サイトの表記だけで判断せず直接確認するのが確実
- 最低発注の条件は仕入れ先によって異なる。小規模な案件を想定しているなら、取引開始前に確認しておく
- 取引開始には申請書類の提出が必要になることが一般的。手続きの進め方は問い合わせの段階で確認できる
- 継続して付き合える相手かは、取り扱いメーカーの幅・配送と設置の範囲・家具以外への対応・条件変更時の対応で見極める
大川家具では、法人・個人事業主を問わず、1点からのご発注についてもご相談を承っております。お取引をご検討の際は、お問い合わせフォームより「取引の申請書類を提出したい」旨をお知らせください。仕入れ先をお探しの段階でのご相談も歓迎しております。